玉川田園調布の家 改装設計
東京の田園調布と自由が丘のちょうど中間あたりに玉川田園調布という小さなエリアがある。
父は無類の車好きで、モータリゼーションの進むさなかの1965年に、独立まもない故宮脇壇さんに設計を依頼し、そこに当時はまだ珍しかったドライブインの「VAN FAN」を建てた。
VANジャケットの洋服を扱うお店・カフェ・レストランとして営業し、1980年に閉店・売却。
その後、アンティークショップ、ゴルフショップ・・・この建物は数々の変遷を経る。
2004年、不思議な縁で料理研究家の母がこの建物を賃貸して再び住まうことになった。
取り壊されるまでの3年半という期限付きではあったが・・・。
手離してからの24年の歳月で、VANFANは度重なる店舗としての改装により宮脇さんの設計した当時とはだいぶ変わった姿になってしまっており、人が住まうにはかなり厳しい状態ではあった。
本当の希望は宮脇さんの設計当時の姿に戻すことだったが、短い期限付きの住まいなので最低限の予算とし、内部のみに改装を施し、住宅兼料理スタジオとして使用できるようにした。
予算を抑えるため、ほぼ家族によるセルフビルド+直営工事である。
白いコーリアンのキッチンカウンターも自分たちで下地を作りコーリアンを張ってもらった。
所在地 東京都 内装設計 八木建築研究所
主要用途 専用住宅+料理スタジオ 施工 直営
延床面積 1階 199.04m² 完成 2004年4月(現存せず)
2階 127.34m²
合計 326.38m²