北 摂 の 家
Hokusetsu House ( I Residence )






















北摂の家
緩やかな北斜面のゆったりとした住宅地。敷地に立つと、南側は一段高い隣地の上に2階建ての住宅が迫りやや圧迫感があるが、北側は隣地が一段低いため空が広く、はるか向こうに山なみがすがすがしく遠望できる。この北側を向いて生活したい、ということから計画は始まった。施主は夫妻と就学前のお子さんが2人。ミッドセンチュリーの家具やインテリアが好きで、庭づくりも重視しておられた。
通常は家は南向きであるがその逆である。当然、南からの日照も確保したい。
対応方法として、建物を短冊状のボリュームを組み合わせた形状とした。遠望する山なみと平行な短冊ボリュームを東西に併置させ、それらの高さを変えることにより、それらのずれから生じる段差にスリット状のハイサイド窓を設け、内部から見える南側隣地の建物の存在感を抑えつつ、南から直射光が入るようにした。大きな開口部のある北側を見ながら生活しつつも背後の上部スリットから陽が入る、という構成を基本的な形として考えた。
1階はリビングダイニングなど家族皆で使うスペースであるが、そこでは建物の一部をえぐり、一部を張り出すという操作をした。これにより外にいるような内部と、なかにいるような外部ができて、より親密な庭との関係を持たせている。また、この操作は家族の共有スペースを柔らかく分割することにもなっていて、リビング・アウターリビング・ワークリビングという空間の性質の異なる3つのリビングを生んでいる。空間を分けることはまた、インテリアのレイアウトを楽しむことが出来る場面が増えることにもなる。
2階は子供室・寝室・ゲストルームであるが、ここでも短冊ボリュームのずれが、天井高の違いやハイサイド窓を生んでいて、それぞれの空間の性格に変化をもたらしている。
所在地 大阪府 建築設計 八木建築研究所
主要用途 専用住宅 構造設計 宮田構造設計事務所
構造規模 木造 2階 施工 中野工務店
敷地面積 326.49㎡ 竣工 2017年10月
延床面積 190.98㎡ 庭 GREEN'S FARMS