世 田 谷 a 邸
Setagaya A Residence
世田谷A邸
<マンション改装>
築30年ほど、広さ93㎡の中古のヴィンテージマンションのフルリノベーション。 物件探しから一緒にはじめ、閑静な住宅地、敷地内に緑が多く、窓も多くて、古いけれどしっかりした作りでとても居心地がよいマンションである。 施主からの要望は、白を基調にして柔らかく優しい感じ、素材はできるだけ日本製の良いものを使いたい、ということだった。
中庭に面した明るい玄関ホールの土間を拡げ、ここを境目にパブリックな場所としてのLDKと、寝室水回りがあるプライベート空間に明確に分け、来客の多い施主の暮らしに馴染むようにした。パブリック空間の床は白い顔料を入れたモルタル、プライベート空間の床はこげ茶のフローリングかカーペット、と、 色・素材でゾーンが変わるようにしている。玄関ホールには床と同素材のモルタルでベンチをつくり、壁一面に鏡を貼った。
キッチンはコンパクトがよいとのことで、70cmの奥行きのカウンターを壁側に作り、無垢のオーク天板のアイランドカウンターを置いた。このアイランドはキャスターを付けた可動式で、電源のあるダイニングにも移動して使うことができる。壁側カウンターはベージュ系のタイル貼り。扉の奥にあるストックルームには、冷蔵庫2〜3台、コの字型のパントリーコーナー、洗濯機など、小さい空間ながら大容量に様々なものを、整然と収納できるスペースとした。
柔らかく優しいだけでなく、仕上を剥がして出てきた、荒っぽいけれど美しく年月を経た表情をもつコンクリートの躯体の壁や梁は、対比的にそのまま生かしている。水回りは、マンションではあるがユニットバスは使用せず、洗面・浴室をホテルのような雰囲気で造作で作り、プライベート用と客用の2箇所のトイレを設けた。寝室は個室一つ分の広さのある大容量のWICが隣接している。
所在地 東京都 内装設計 八木建築研究所
主要用途 共同住宅の一住戸 施工 TANK
構造 鉄筋コンクリート造 竣工 2013年8月
マンションの内装工事
床面積 93.14㎡